2019年5月6日月曜日

気づいた


あなたには本当に悪いことをしました。
心から謝罪したいと思うけれど
あなたはどこにいるのかわからない。

小学校1年生の時
あなたは40℃の熱があるのに私は仕事に行きました。
休むと食材が買えないほど貧乏だったから
あなたを置いて仕事に行きました。

引っ越して転校したあなたの担任は暴力教師でした。
学校に行きたくないと叫び逃げるあなたを教師は家中追いかけました。
私はただ唖然として何もできませんでした。

夜勤がある仕事に転職した時は
あなただけを家に置いて仕事に行きました。
さぞ淋しかったことでしょう。
あなたが夜に何をしていたのか
私は今も知らないままです。

資格を取るために東京へ年に2回5泊ずつした時も
あなたが何をしていたのか気にもしませんでした。
淋しくて淋しくて淋しくて誰かを頼っていたのかもしれないことに
私は気づきませんでした。

あなたは私に甘えることを恥ずかしがりました。
私はどう甘えさせればいいのかわかりませんでした。
だから他人に頼ってあなたを外に連れ出すことばかりしていました。

暴力と誘惑に勝てなかった時代のあなたを理解しようと
私は努力したつもりでした。
あなたを愛していると伝える術を知りませんでした。

そして気づきました。
あなたがどれほど淋しい子ども時代を過ごしたのか
あなたがどれほど私を恋しく思った子ども時代を過ごしたのか
2019年の子どもの日に気づきました。
遅すぎる気づきです。

今さら謝っても仕方がないことですが
どこで間違えたのかを考えているうちに
間違えたのは私自身が子どもだったからと気づきました。

子ども中心の生活と自負していました。
100%子どものことだけを考えて人生の選択をしたと思っていました。
だからあなたの気持ちが見えないことに苛立ち苦しみました。

でも
あなたは私以上に大人で
私に合わせて人生の選択をしていました。

ごめんなさい。
私が子どもでごめんなさい。
老人になろうかという年齢になって初めて気づくなんて
心が子ども過ぎてごめんなさい。

やっぱり最期にあなたに会いたいです。