2018年6月24日日曜日

触れたいもの


それは愛かもしれない
この世で私だけの愛
かなうはずの愛

自宅が大丈夫というだけで油断していた私が悪いのかもしれない
だけど
今は他人の家を心配する余裕はない
だから頼らないで欲しい

地震がどうした?
ここは日本だから誰でも地震に遭う
家が壊れたり水道が使えなくなる
当たり前のこと
小さなひび割れを放置しても
もう20年以上建っているビルもある

私は生かされていることを知っている
私は生きていかなければならないことを知っている
私はいつか死ぬことを知っている

無自覚な人が多い中で
私と同じ考え方をする人はいないだろうと思う
共感できることと知っていることは違うから

今触れたいもの
それは私だけに注がれる愛
それは私だけに許された愛

そんなものはとっくに捨てたはずの愛

2018年6月17日日曜日

宿命


あなたへの悪態は心の中で言いつくしたみたい

あなたは私の気持ちや思いやりなんて想像がつかなかったでしょう

連絡を拒否したのは私の心を守るため

ただそれだけ

これほど楽しい嬉しい記憶が少ない子どもは私の他に何人いるかな
最初からいなければと何度思ったかしれない
私の最期は絶対見せないと決めたのも
あなたの最期は知らないと決めたのも
全て私の反抗期だった
長い長い反抗期だった

今は宿命という言葉にそれほど驚かない
私はあなたと同じことをしてしまったから
自分の子どもを捨てて苦しめることをしてしまったから

ずっと私はあなたとは違うと思っていた
ずっと私を見ないあなたを憎んでいた
でも一緒だった

宿命というのはこういうことなんだ
生まれながら親に背負わされた運命が宿命
私はあなたを反面教師にして生きているつもりだった

あなたはまだ生きていますか
あなたはまだあなたのままですか
あなたがどんな状態でも私はあなたに会いたいと思うようになりました

何も言うことはないけれど
あなたの最期にはあなたを見たい
復讐はもう十分したように思うから

どんな理由があったとしても
私が1人の子どもを捨てたのは間違いだったかもしれない
愛していたのにあまりにも激しい反抗期に耐えられなかった
当時の弱い私
耐えていたら小さなささやかな幸せが続いたかもしれない

でも
もう後悔はしない
生きているだけでいい
私の幸せはなくていい
これが宿命なら何も変わらないから

2018年6月7日木曜日

ぞろめ


あなたを追い出してから丸10年が経ちました。
もう涙は出ません。
その代わり、心はどんどん年老いてゆきます。

ひどい親だと思ったでしょう。
ひどい親だと思っているでしょう。
ひどい親です、私は。

泣き疲れて、叫び疲れて、崩れ落ちて、
狂ってしまいたかった。
できなかったのは私の鋼の心臓ではなく側にいる子がいたからです。

どうしていますか。
ちゃんと食べていますか。
病気の再発危険年齢クリアまであと1年です。
お腹の傷痕は今も気にしていますか。

そういうことを考える日が年に1日あれば十分なのに、
何度も何度も思い出して眠れなくなります。

自業自得。

あなたを産んで本当に良かったと思っています。
あなたに出逢えて私は幸せな出来事をたくさん経験しました。
純粋で傷つきやすいあなたを育てるのは苦痛ではありませんでした。
今は楽しかった思い出とあなたの笑顔を思い出すことが多くなりました。

11年目に入りました。
毎年こうして数えるのが癖になってしまったのは、
私の人生の心残りと言うのでしょうか。

間違ってもいいから悔いのない生活をしてください。
ぞろ目の年に思うことです。