2019年8月11日日曜日

平々凡々


息子が切り出してずっと片づけられなかった部屋を片づけた

捨てるつもりだった仕事の資料は全部捨てた

ついでに私の私物も少し捨てた



少し経って

「場所がないから死んだら捨てやすいように段ボールに入れている物を捨てる」

「母ちゃんは普通に生きてきたから」

と言うと

息子が

「波乱万丈な人生やろ」

と言った



そうかもしれない

他人より少し波乱万丈な人生かもしれない

でも私は

地球の長い長い歴史を考えると

私の人生なんて普通だと思う

何の足跡も残していない

縄文時代の人達と同じ

無名のただ生きた人間

そういう感覚



平々凡々な人生なんて

そんな人生を生きる人はいない

その人なりに苦しんだり悲しんだり喜んだはず

私もその人達の中に埋もれる存在



だから

何も残すつもりはなくなった

息子が必要な物だけでいい

戦争で戸籍を焼失した私の父親のように

過去がどんなものだったのか想像できない方がいい

何もない方が謎でいい

息子達に任せる

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。