2010年1月26日火曜日

産まれなおす

昨晩、息子が私の布団に入ってきた。

「何か疲れんねん。寝ても疲れが取れへんねん。」

と彼は言う。

私は「じゃあ、エネルギー注入するわ」と彼のおでこに唇を当てる。

「あっ、間違って吸うてしもたわ(笑)」

「えーっ!」

「ごめん、ごめん。よしよし・・・」

と彼の頭を撫でる。

彼は目を閉じて心地よさそうに抱かれている。

私も何も考えないでその温かさに身を任せる。

2人で至福の数分を堪能する。

「うん。もう、ええわ。」

と、息子が布団を出て行く。

この作業が私は大好きだ。





年に数回、彼は私の布団に入ってきて私に抱っこされる。

自分ではどうしようもない時に、彼は「産まれなおし」の儀式としてやってくるのだ。

母ちゃんの布団は何故か温かい。

母ちゃんの抱っこは気持ちいい。

それだけで彼は産まれなおって明日からの日々を生きる。

「産まれなおす」という事は、「1回死んで産まれかわる」という意味を持つ。

息子は何度も何度も私から産まれているのだ。

母としてこれほどの幸せがあろうか。

私は何度も息子を産んでこれ以上ないほどの幸せを感じている。





私も母から産まれなおしたかった。

こんな幸せを拒んだ母は、やはりどうしようもないのだ。

私は息子のおかげでこの幸せを知った。

ありがたい事だと、布団から出て行く息子に心の中で感謝する。

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